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ギター教室をやってみた話

今年の夏も風邪を引き幸い軽症で済みましたが忘れもしない2022年の8月、多分あれはコロナだったと思いますが39度以上の酷い熱と咳と喉の痛みで1か月寝たきりとなりもうこれでタヒぬのかなと考えていたところどうせタヒぬならやりたいことやってみるか、ということで甲子園を見ながらうなされながら構想を練りながらその翌月に始めたギター教室もそろそろ5年目を迎えることになりました。

何でこんなどうでも良いことを書くかと言うと最近あるSNSで「ギター教室始めたけど生活費とか住宅ローンとか色々きつい」みたいなことを見かけたからです。僕もそんなにたくさん稼いでいるわけではないですがやってみるとなかなか面白く一応生活できてるので自分の現状を記録しながらこれから同じことをやろうとする誰かの参考にでもなればと思い書いてみようと思います。

お金の話

まずギター教室でも何でもそうですが、独立開業してそれ一本で普通に一家全員養って住宅ローンも払ってってのはそりゃ大変だと思います。このためまず始める前に家のお金の出入りをしっかり考えるのが一番大事だと思います。自分の場合は元々既に別の業種で開業していて住宅ローンのようなものは既に終わっており、妻(←家族の理解を十分に得るのも重要だと思います)にも収入があるのでギター教室がどうにもならなくても生きてくだけなら何とかなるし、ダメだったらまた他のことすればいいやと思える心の余裕がありました。もし多額の住宅ローンを抱えていたら、自分は開業自体怖くて多分できないです。返済が終わるまで待つか、それまで待てなくてどうしてもやるというなら返済を含めた生活費を数年分確保することが必要だと思いますが、独立開業後あっという間に退職金が減っていった経験がありますのでそれでも怖いです。

開業にあたっては最初はできるだけお金をかけない方が良いです。自分の場合はそれまで事業で使っていた応接セットとか書類棚とかMacとかプリンターとか文具とかそのまま使用しており当然ギターもアンプも複数持っているので新しく買ったものは弾き語り用のカポとリズムマシンくらいで他に特にありませんでした。最初はどんな人が来るのかも実際に何が要るのかも分からないので、焦らずに必要に応じて少しずつ買い足す感じです。始めてしまえば市販の楽譜など資料の購入費、自作資料のためのコピー用紙、インク、弦など消耗品、通信費電気代その他くらいしかかかりません。機材を充実させるのはある程度収入が増えてからが良いです。あとはいかに固定費を減らすか、といってもこれはギター教室より前の開業時からやってましたが生命保険と携帯代の見直しをしました。生命保険は結構無駄が多かったので県民共済に変更、スマホは3大キャリアからmineoに変えたくらいですがそれでも月1万円以上の支出減となりました。

レッスン場所は自宅ですので家賃がかかることはありません。これをその辺のステキな賃貸物件でやろうとするとまた固定費が増えてしまい大変です。たまたま我が家は人口20万人以下の中小都市ながら主要駅から徒歩10分以内、今は別で場所を借りてますが自宅にも駐車場スペース有りなので立地としては良い方だと思いますが、地方なら大体皆車で来るので必ず駅近ではなくても良いと思います。あと自宅はRC造なので遮音性は高いものの本格的な防音工事はしていないため音漏れはどうしてもありますが、窓へのサウンドガード設置による対策だけでかなり軽減されています。自宅でレッスンを行う場合近所の理解は大変重要ですのでレッスン中の音量には常に配慮し21時には音出しを完全終了するようにしています⋯

⋯ということで始める環境としては結構恵まれていたと思いますが、やりようによってどうにでもなると思います。

運営の話

実際に運営を始めるにあたりまず考えるのは集客ですが、どのような人をターゲットとするかというのは特に考えておらず自宅開業の音楽教室なんて普通地域の人しか来ませんので「この地域の」「ギターを楽しみたい人」くらいの大雑把な感じで考えてました。ジャンルは本格的なフラメンコと本格的なクラシックギターと極端な特殊奏法以外はなんでもやるというか、ギター教室に来るような人はジャンルの区別もつかない人が多い(もちろんよく知ってる人も来ます)ですのでひとまずこのくらいの考え方で問題無いと思います。もし、ロックしか出来ないとか弾き語りしか出来ないとなると都会なら良いかもしれませんがただでさえ人口の少ない地域ではお客を絞り過ぎてしまいますので、ロック・メタル・JPOP・ジャズ・ボサノバ・ブルース・フュージョン・演歌・童謡等々何が来ても対応できる形が個人的には良いと思いますし自分もこれで対応に困ったことはありません。最近流行りのオンラインレッスンはそれを掲げてネットで集客しても競合が多すぎだったりもし申し込みが来ても連絡や集金など大変なので今のところ運用してませんが、先のコロナ時のような状況に備えていつでもできる体制だけ作ってあります。

教室の告知や集客は一番最初は感触を確かめるためにジモティを使いました。同じ地域でギター教室はいくつかありますがどのくらいの金額でどのくらいの反響があるのか分からなかったので最初から本格的なホームページは作らずまずジモティに掲載して安めの金額から始めたところ、1週間くらいで2名の申し込みがありました。結果的に一人は7か月、もう一人は1年半程度続けてくれることになりました。ここから2か月くらいの間にきちんと金額を決めてホームページをしっかり作成し、公開してすぐにまた1名申し込みが入りました。なおホームページはこのブログや前の仕事でワードプレスを使っておりサーバーも契約してるので特に問題なく、見た目が良く使いやすそうな有料のテーマを入手して作りました。

あわせて、Googleビジネスプロフィールに登録してGoogleマップに表示されるようにしておく○○市 ギター教室」で検索された際上位に表示されやすいと思います。自分の場合は割と早い段階でこの検索キーワードで1位に表示されるようになりました。ホームページにレッスンの予定表を公開しておりお客さんが確認のため日々アクセスするのが何か効いてるのかもしれません。ちなみにFacebookやInstagramなどのSNSでは一切PRしたことはなく何かの口コミを依頼したこともありません。他にやっているのは演奏例としてホームページから自分のYoutube動画に誘導していることくらいです。その他にお金をかけずにできることとして、地域で行っている以上地域での知名度を上げたり信頼を得るのが大事ですので子どもの少年野球の試合に顔を出してカメラ撮影等のお手伝いしたり面倒な町内会の役員を進んで受けたりしてました。そうするとあの人ギター教室やってるのすごいなんて話に結構なったりするものです。

そんなことをやりながら1年目は平均して月に1名の申し込み、2年目からは月に2名の申し込みがコンスタントに続くようになりました。続くと言っても当然最初は全然少ないですが、現在まで続いているので申し込みだけ見ると結構な人数になります。当然色々な都合でやめる方もお見えですが、大体の方が始めると長く続けてくれますので退会より申込みのペースの方が早いです。このような感じで進めてきて体力的に45名前後が限界と思いましたので受入を一時停止したりして募集を調整していますが、受入再開すると間もなく申し込みがある、というような状態を保てています。

ちなみにHP作って公開するとHP作成(もうあるのに)とか広告とかの業者から電話がめちゃくちゃかかってきますが全く必要ありませんしすべて迷惑電話登録しています。そして前やっていた仕事はコロナ以降収入が不安定になってしまっていたのでギター教室の2年目でそちらの仕事は畳んでしまいました。お金持ちと酒を飲んで遊んでると話が来るような仕事でしたが、こんなこと死ぬまでやるのかなと思っていたところコロナが来て会食ができなくなり現在のようになったわけですが、人生何があるか本当にわかりません。現在は個人的な収入は大したこと無いですがもし仮に一人で暮らしても問題ないくらいで夫婦で世間一般の人並みくらいは多分ありますから生活は普通にできます。ギター教室は無理に酒飲まないので健康に良いし、自分の裁量が大きく精神的にも楽何より自分の好きなことですので色々ありましたが結果的に良かったと思います。

その他の話

どのくらいの腕があればレッスンできるのか

どんな人が読んでくれるかわからないのでもう少し色々書きますが、よくネットで見る「どのくらいの腕があればレッスンできるのか」というのは自分の場合は特に何も気にしてませんで、そもそもお客さんは自分の腕を見せびらかしに来るわけではなく上達したいために来るのですからニーズに合った内容を教えることができれば良いわけで、難しい要望があれば一緒に練習したり、可能な場合はあらかじめ勉強しておいたりすれば問題無いです。一度Charlie Byrdのソロギターの弾き方について聞かれたときは意地になって1曲を1か月かけて練習してある程度弾ける&説明できるようになりましたが、結果お客さんはそこまで求めておらずすごいですねでその話は一旦終わりました。ということで演奏力については人よりギターが弾けるという自信と客観的評価があれば特に困ることは無いですが同時に大事なのは様々な要望に対する対応力だと思います。

音楽理論はあんまり難しいことを言ってもほとんどの方には必要無いので、世間で広く知られているくらいのことを知っていてそれをわかりやすく説明できれば良いと思います。読譜については楽譜の構成に迷わずコードシンボルが理解出来てメロディー譜がすんなり分かるくらい読めれば問題無いと思います。流石に下線上線や臨時記号がやたらとあったりシンコペーションがバキバキに入ったりするような五線を今すぐ読めとなるとギターの場合運指を考えたりしなけらばならず僕もすぐには難しいので、こういうときは正直にちょっと練習させて、で乗り切ってますしそれで良いと思います。

ギター教室なんて需要あるの?独学で良いのでは?

自分もそう思っていた時代がありますが、そう思う人は自分はできると思っている人です。また、できると思っている人の中にも僕から見てできている人とできていない人がいます。さらに、「できる」という言葉の定義は人によって違います。そして、世の中には自分はできないと思っている人がいますが、自分はできると思っている人はできない人の気持ちが分からないだけです。偉そうに言っていますが僕もできないことはあるし上手くなるためにこの人からならレッスン受けたいって思う人もいます。ギター教室でもピアノ教室でも何でも同じだと思いますが、できると思っている人はできないと気づくまで利用しなくて良いと思います。できない人には色々な角度でアドバイスをしたり、一人では不安な人に寄り添ったり、新しい知識を皆で共有したり、一緒に音楽で楽しんだり、色々できることがあります。やってみれば分かります。

色々な人が来るから面白い

自分はジャズとかロックとか弾き語りとかの対象を絞ってないので当たり前ですが、実際には色々なステータスの方がお見えになります。

  • 同年代の子の演奏動画を見て触発された流行りの曲をアコギで弾きたい小学生
  • 勢いでエレキを買ったけど右も左も分からない中学生
  • バンドをやっており文化祭で難しい曲に挑戦したい高校生
  • 折角買ったのにいつの間にか触らなくなっていたギターにまた挑戦しようとしている年頃の女性
  • 10年くらい経験があるが何か自分のプレイがイマイチと感じているサラリーマン
  • プロ経験があるけど自分の得意な音楽以外のことが分からないので色々知りたい元プロ
  • フュージョンのギターソロをとにかくコピーしたいおじさん
  • ギターのことは何も知らないけどとりあえずソロギターが弾きたい主婦
  • ご家族の形見のギターで思い出の音楽を弾きたいおじいさん 等々

レベルや背景の差はあれ、出来ないことをなんとかしたいというのは皆一緒です。演歌とか速弾きとかビジュアル系とか色々ありますがこちらも興味を持って当たっていくとジャズばっかりやってた時には気づかなかった色々な発見があって面白いですし、知らなかった曲を知れて楽しいですし、結局はみな音楽だなと思うわけです。時には何だこりゃと思ってしまうような題材に当たることもありますが、音楽的にこれよりこっちの方が良いよ、なんて言ったりなど相手の趣味を否定するようなことをしてはいけないです。こんなの弾いても何の練習にもならんと思える曲でもやっている内に何らかの気づきがあるものですし、好きな音楽を弾きたい、というのがお客さんがまず求めていることであり、人にはそれぞれのペースで進む理解の段階というものがあり、お客さんに寄り添ってそれらを実現することが自分の役割であり、それがまた次につながっていくからです。

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